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「あなたのやってきたことはすべて素晴らしい」 この考え方になると、自分が大好きになります。自分の可能性が信じられるようになります。謙虚になれます。心から感謝できるようになります。 そんな学びの日々を記録しています。
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先日こんなことがありました。午後10時過ぎの大手町の駅構内でのことです。

 ご存じのようにこの駅は複数の路線の乗り換え駅で、家路へと急ぐスーツ姿の男性サ ラリーマンが目立ちます。残業して疲れが見える者、ほろ酔い加減の者、一刻も早く家にたどり着きたいことでしょう。

 そんなとき、私が立ち止った公衆電話の置いてある場所から階段が見下ろせるところ で、大きな争う声がしました。びっくりして思わず目を下にやると、人もまばらな階段上で2人の男性が言い争っています。

 どうやら身体が軽くぶつかったようで、その時のお互いの態度が悪いということで、もめているようでした。
 50代ぐらいの男性Aは「お前のその態度はなんだ」と声を荒らげ、受ける30代ぐ らいの男性Bは「謝るのはそっちでしょう」と譲りません。

 言葉がだんだん激しくなり、「バカヤロー」の声で周囲の人々に緊張が走りました。 些細なことから警察沙汰の事件になることも多いこのご時世です。ごく普通のサラリーマン同士の言い争いにも 巻き込まれたくないのが一般心理でしょうか。

 そこへ救世主が現れたのです。ただ二人の物理的な距離を離すためだけにその男性は静かに現れたようでした。

 長身なその男性は下手にでるかのように大きく身をかがめてそっと二人を両手で押し離しました。

 一触即発のにらみ合いに障害物が入り、距離感ができ焦点がブレたことで、お互いに 冷静さを取り戻したようでした。突然の沈黙の後、にらみ合いは終了し3人はそれぞれ何もなかったように別々の方向へと立ち去りました。

 その人は30代ぐらいで、はじめはBの連れなのかなと思いました。ところが目線は 終始2人のどちらにも合わせることもなく、言葉を交わすこともありませんでした。
 
 まったく通りすがりの人だったのです。あの緊張のなかに割り込むことは相当に勇気 のいることでした。

 「見ない」「聞かない」「話さない」ことに徹することは、この場合ではAにもBにも味方しない、どちらが悪いか評価しないことを意味します。
 したり顔で「まあまあ」などと言葉をかけたら「お前はなんだ。事情がわからないくせに」とどちらにも反発をくらってしまったことでしょう。

 終始謙虚な姿勢を貫いていましたが、彼は「止めてください」という強いメッセージを見事に表現しました。

 所要時間たったの2秒か3秒で、スマートに立ち去ったその男性に「他人に無関心な現代人ばかりではないんだ」と、一 人心の中で安堵感とともに拍手を送りたい気持ちになりました。誰に感謝されることもなく立ち去ったわけですが、目撃した人はみんな脱帽ものの感動があったのではと思いました。

 彼は日ごろから解決思考の人間で、少なくとも「事なかれ主義」の消極的な姿勢で仕事もプライベートも 過ごしているタイプではないだろうと、勝手に想像してしまいました。
でなければ、通りすがりであのように 適切な介入に踏み切ることができなかったでしょう。

 人間というのは「緊急のとき」に、人となりがでたり、内面が無意識にでると言われています。
 
 人間力を磨こうとする人には、ドキリとする言葉ですね。
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難しいですね。
「緊急の時、適切な対応が
文子 2008/09/27(Sat)04:26:49 編集
難しいですね。
「緊急の時、適切な対応が出来る」と言うのは
やはり、日頃の訓練が大切なのでしょうか。

私がその場にいたら、きっと逃げ出していたでしょう。
「緊急の時に、その人の人となり、
内面が無意識に出る」と言うのは
何だか、怖い気がします。
文子 2008/09/27(Sat)04:38:52 編集
無題
日ごろの考え方とかやり方がそのまま出てしまうのでしょうね・・・。準備する暇ないですから。

訓練というと、「避難訓練」。小学校のときに「こんなこと絶対起こらないのに・・」なんて小馬鹿にしていたことを思い出しました。(喝)

でも本当に大災難が起きた時には訓練しているのといないのでは「パニック度」が断然違ってきますよね。

だから「避難訓練」って意味があります。知識「知っている」と「知らない」では雲泥の差がでますよね。

問題は「感情」とか「心の状態」でしょうね。でもそれもまた「その人らしい」のだから怖がる必要もないと思いますけど。

ちなみに私はその時、成り行きが知りたいと安全地帯をキープして観察してしまいました。・・それって「野次馬」根性か・・・。(爆)
田淵真知子 2008/09/27(Sat)22:35:21 編集
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